「すみません、もう一度言ってもらえますか?」
ある日突然、私は会話ができなくなりました。
相手の声は聞こえるのに、意味が頭に入らない。
まるで言葉が霧の中に消えていくようで、理解できない自分に戸惑いました。
私が勤めていたのは大手上場企業。
外から見れば華やかな職場ですが、実態は長時間労働とノルマに追われるブラック企業。
中間管理職として働く私は、上司からは厳しい数字を求められ、部下からは不満をぶつけられ、板挟みの日々を過ごしていました。
不眠と倦怠感、そして会話のズレ
当時、私は長年の不眠症に悩まされていました。
眠っても疲労感が取れず、朝起きても体が鉛のように重い。
「まだ大丈夫」と自分に言い聞かせて働き続けていましたが、少しずつ異変が現れます。
- 会話の内容が頭に入らない
- 普通に返事をしているつもりが的外れになる
- 感情のコントロールがきかない
- 1人になると涙が止まらない
- 味覚がなくなり、食欲が異常になる
こうした症状は、仕事のストレスによる脳と心の疲弊が原因でした。
上司に相談しましたが「みんな同じ」「あなただけじゃない」と、あたかも体調不良を訴えた私が悪いように言われました。
今後、体調が悪いと言ってはいけないと思い、正直、辛かったです。
「元の自分には戻れない」と告げられた診断
ある日、カウンセリングをしてくれていた先生からこう言われます。
「一度、心療内科を受診してみませんか?」
診断はうつ病。
人前では笑顔を作れるため、周囲には気付かれにくかったのですが、実はすでに重症化し深刻な状態でした。
医師からは、
「このまま生活を続けると、元の自分には戻れない」
と断言されました。
体のためにも一度仕事から離れ静養するするよう言われ、診断書を出してもらい休職することに。
休職しはじめのころは繁忙期に休んでいる罪悪感から気持ちが不安定になり、過食と拒食を繰り返していました。
そして、休職して1ヶ月が経ったころ、ようやく気持ちが落ち着きはじめ、今後のことを考えられるようになりました。
復職しても同じことの繰り返し。辞めよう。
そして、ようやく退職を決意できました。
体調を崩す前から退職(転職)を考え始め、準備を始めていました。
予定では、もう少し先だったはずの退職が早まったという感じです。
うつ病から回復するために始めたこと
1. 何もしない時間を意識的につくる
スマホやパソコンから離れ、外の光を浴びる時間を毎日とることで、心の緊張が少しずつほぐれました。
暇があればスマホを見ていた私にとってデジタルデトックスはとても良い機会でした。
2. 睡眠のリズムを整える
同じ時間に寝て同じ時間に起きる生活を徹底。
睡眠の質が改善し、倦怠感が軽減しました。
3. 五感を使った散歩
朝の空気、木々の匂い、鳥の声などを意識して感じることで、感覚が徐々に戻ってきました。
4. 小さな「できた」を記録する
料理を作った、洗濯をしたなど、どんな小さなことも手帳に書くことで自己肯定感を取り戻しました。
回復を支えた環境作りとアイテム
- 部屋に観葉植物を置く
- 仕事用と休憩用のアイテムやスペースを分ける
- 好きな香りや音楽を流す
特に私にとって欠かせなかったのは、アロマディフューザーとハーブティー。
香りや温かい飲み物は、自律神経を整え、安心感を与えてくれました。
無印良品のアロマオイルを使用し、香りを嗅ぐだけで「今日も大丈夫」と思える安心感がありました。
まとめ|突然会話ができなくなる前に気付いてほしいこと
- 突然会話ができなくなる、理解力が低下するのは心のSOSの可能性が高い
- 不眠・倦怠感・感情の乱れは、仕事のストレスが限界に達しているサイン
- 早めの心療内科受診と休養が回復の第一歩
- 環境改善と小さな習慣が、うつ病からの回復を後押しする
もし今、あなたが「少しおかしいかも」と感じているなら、
無理をする前に休むことが一番の予防です。
私の体験談が、あなたの気付きと回復のきっかけになれば幸いです。
そして、仕事は今の職場以外でもできます。
今の職場は自分にあっていなかったんだと思って、次の仕事を探しちゃいましょう!